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仮想現実市場をリードする超高解像度OLEDの競争が始まった

最近、VR機器セットメーカーとOLEDパネルメーカーがモバイル機器より優れた解像度のOLEDを採用したVR機器とVR機器用に製造された超高解像度OLEDを披露し、注目を集めている。

先日CES 2018で公開されたVIVE PROは、最近の新製品発表会で韓国で公式にローンチした。VIVE PROは解像度において、前作であるHTC VIVEの448ppiより78%向上された615ppiのOLEDを搭載した。

<HTC VIVE Pro、参考: vive.com>

それだけではなく、最近はOLEDパネルメーカーもVR機器用超高解像度OLEDを多数披露している。SID 2018でLG DisplayはGoogleと共同開発した1443ppiのVR機器用OLEDを公開した。従来のOLEDは538ppi程度だったが、LG DisplayはWRGB + CF方式を取り入れ、UHD(3840 x 4800)解像度を実現した。

<SID 2018で公開されたLG Displayの1443ppi OLED>

Samsung DisplayもSID 2018で、解像度1,200ppiの2.43型OLEDパネル2つで製造されたVR機器を展示した。このVR機器には、昨年の858ppiより解像度がさらに向上されたRGB OLEDが採用された。

Sonyも先日5月に4,032ppiのVR機器用マイクロOLED「ECX339A」の実用化を発表した。サイズは0.5型で、240fpsまでのフレーム速度にも対応できると知られている。量産開始は2018年11月の予定だ。

VR機器は目とディスプレイの距離が非常に短く、解像度が低い場合にディスプレイのピクセルが格子柄に見える「網戸現象(Screen Door Effect)」が現れる。それによって目の疲れが悪化し、現実性が薄くなるため、パネルメーカーは高解像度OLEDの開発に集中しており、SonyやFacebook(Oculus VR)などのセットめーかーも高解像度OLEDをVR機器に採用している。

近頃は、セットメーカーだけではなく、OLEDパネルメーカーも様々な方式で従来より一層アップグレードされた高解像度のOLEDとVR機器を多く披露し、今後さらに高解像度のVR用機器が実用化されていくかに注目が集まる。

PMOLEDとマイクロOLED、ウェアラブル機器市場で真価を発揮する

東京ビッグサイトで1月17日から開催中の第4回ウェアラブルEXPOで、多くのメーカーがOLEDウェアラブル機器とOLEDパネルを展示し、来場者の注目を集めた。特に今回の展示会ではPMOLEDとマイクロOLEDを採用したウェアラブル機器が多数展示され、OLEDの無限な発展可能性を再確認できる機会となった。

 

まずColorLink JapanはマイクロOLEDを採用したVR機器とAR機器を披露した。マイクロOLEDはOLEDパネルをマイクロサイズまで抑え、小さいながらも高解像度が実現できるパネルである。ColorLink JapanのVR機器に採用したマイクロOLEDは、0.7インチサイズのFHD解像度で、関係者はマイクロOLEDの採用によって、コンパクトで希少性のあるVR機器を製作することができたと述べた。

<マイクロOLEDを採用したColorLink JapanのVR機器とAR機器>

FitbitとiWOWNfitはPMOLEDを採用したスマートバンドを展示した。PMOLEDはスイッチング素子のTFTが採用されていないパッシブマトリクスOLEDのことを意味し、高解像度が必要な機器よりは、数字や文字を表す低解像度対応機器に多く採用されている。2社の関係者はPMOLEDの採用によって消費電力が大幅に削減されただけでなく、OLED価格も大きく低下しているため、十分な価格競争力を備えていると説明した。

 

一方、OLEDパネルメーカーも多くのウェアラブル機器用OLEDパネルを展示した。1997年に初めてFM文字放送受信用モノカラーPMOLEDを量産したPioneerは、PMOLEDやこれを活用した様々な機器を披露し、来場者を魅了した。PioneerはPMOLEDを採用したBluetoothスピーカーとスマートウォッチ、AR機器を多く披露し、PMOLEDを中心として事業を多角化する目標を明らかにした。

<PioneerのPMOLEDパネルとAR機器>

RiTdisplayもPMOLEDを採用したウェアラブル機器とパネルを多数披露し、注目を集めた。RiTdisplayの関係者は「AMOLED市場は既に韓国に先取りされてしまい、生産力と価格競争力が劣るのは仕方ない。しかし、PMOLEDを用いることで、AMOLEDに比べ低コストでもカスタマイズすることができるので、ウェアラブル機器市場においては競争力がある」と語った。スマートバンドはスマートウォッチやモバイル機器よりppiが低くても問題ないため、この市場を積極的に攻略することを明らかにした。

<RiTdisplayのPMOLEDパネルと応用機器>

このようにモバイル機器とTV市場をリードしているAMOLED以外にも、PMOLEDとマイクロOLEDなどの様々な方式のOLEDがウェアラブル機器へ本格的に採用され、その勢力を増している。さらに活用の幅が広がっているOLEDの未来が期待される。

Samsung Electronics、第3四半期ディスプレイ事業の営業利益9,700億ウォンを記録

韓国Samsung Electronicsは31日に行われた2017年7~9月期(第3四半期)の決算カンファレンスコールで、売上高62兆500億ウォン、営業利益14兆5,300億ウォンを記録し、その中でディスプレイ事業は、売上高8兆2,800億ウォン、営業利益9,700億ウォンを記録したことを明らかにした。ディスプレイ事業の売上高は前四半期比7.4%、前年同期比17.3%増加したものの、営業利益は1兆ウォンの大台割れとなり、前四半期比43.3%、前年同期比4.9%減少した。ディスプレイ事業でOLEDの売上高は60%台後半の割合を占めていると述べた。

 

Samsung Electronicsによると2017年第3四半期にはOLED部門で、主要顧客企業の新製品としてフラッグシップモデルが発売され、フレキシブル製品を中心に売上高が増加した。しかし、新規OLEDラインの初期稼働(Ramp-up)による費用増加、リジッドOLEDとLCDパネル間の価格競争が深化するなどの影響で、前四半期に比べ実績が減少したと説明した。LCD部門は主要顧客企業の在庫調整などによる販売価格の低下の影響で実績も低下したと述べた。

 

Samsung Electronicsは第4四半期OLED部門で、フレキシブル製品の生産性を高めて本格的に供給を拡大し、リジッドOLED製品の販売を拡大することで、収益性を確保する計画である。LCD部門の場合、シーズンオフ時期と業界の供給超過状況が続き、受給不均衡の恐れがあるが、歩留り率と原価改善活動の強化とUHD、大型、QDなどの高付加価値製品の販売拡大によって、収益性確保に注力する方針であることを明らかにした。

 

2018年にOLEDはモバイルディスプレイ市場の主流になると期待され、特にハイエンド製品群におけるフレキシブルパネルの支配力が強まる見込みと述べた。Samsung Electronicsは主要スマートフォンメーカーによるフレキシブルの需要に適切に対応できるシステムを構築し、差別化した技術確保で実績を向上を図る計画であると説明した。

 

また、2018年にLCD市場は中国の生産量増加が続き、メーカー間の競争も激しくなる一方で、TVの大型化と高解像度のトレンドも続くと見込まれると述べた。Samsung Electronicsは顧客企業と戦略的なパートナシップを強化し、UHD、大型、QD、フレームレスなどの高付加価値製品と独自のデザイン製品の販売を拡大することで、収益性向上に集中する方針であることを明らかにした。

 

Samsung Electronicsは2017年第3四半期に携帯電話9,700万台、タブレット600万台の販売量を記録した。第4四半期携帯電話の販売量は前四半期に比べ減少すると予想されるが、タブレットの販売量は前四半期に比べ増加する見込みであると述べた。TVの販売量は約1,000万台を記録し、第4四半期の販売量は30%台半ばの上昇を予想した。

 

Samsung Electronicsによる第3四半期施設投資は総10兆4,000億ウォンで、その中でディスプレイに2兆7,000億ウォンが投資された。ディスプレイの場合、フレキシブルOLEDパネルへの顧客需要に対応するための生産ライン増設に対する投資が進んでいると説明した。

 

Samsung Displayのイ・チャンフン常務は「中小型OLEDの場合、現在注力してるスマートフォン以外にもAR、VR、Foldable(折り畳み式)、車載用など、様々な分野に採用を拡大する予定だ」と説明した。また「車載用においてOLEDは、エネルギー効率、独自のデザイン、運転者の安全に重要なブラック画質の実現などの利点を持っているため、関心が集まっている。Foldableは顧客の需要に合わせて研究開発を続けており、市場と顧客が望む完成度の高いレベルに引き上げることを目指している。顧客企業と協力し合い、顧客の要望時期に量産を開始できるように取り組んでいく」と付け加えた。

仮想現実(VR)と拡張現実(AR)が選んだ「OLEDディスプレイ」

最近、第4次産業革命をリードしている仮想現実と拡張現実機器にOLEDディスプレイを採用することで、LCDと比べ応答速度が速く、多彩な色と高いコントラスト比の実現が可能になり、利用者は 現実感のある映像を体験できるようになった。

 

仮想・拡張現実用OLEDディスプレイは、ゲーム、 広告、教育など全産業分野において、幅広く活用されており、関連出願も活発に行われていると見られる。
韓国特許庁によると、仮想現実(VR)と拡張現実(AR)用OLEDの出願件数は毎年、増加傾向にあり、特にこの3年間の関連出願が大幅に増加したことが分かった。

<仮想・拡張現実用OLEDディスプレイの出願動向、参考:特許庁>

最近の出願件数を年度別に見ると、2014年240件、2015年263件、2016年439件と、2014年を基点に仮想・拡張現実用OLEDディスプレイ技術に関する出願件数が急増した。

 

仮想・拡張現実OLEDディスプレイ分野に関する出願件数が最近増加したのは、仮想・拡張現実機器を本格的に普及するための先決問題となる解像度、応答速度、活用性、フィット感、価格など、様々な条件が求められている中、OLEDディスプレイはリアルな映像が実現できるだけではなく、更にフレキシブル設計が容易という利点から、従来のLCDと比べてそのニーズに応えることができるためだと考えられる。

次に、2020年頃に仮想・拡張現実の市場規模は、約800億ドルまで大幅に拡大する見込みで、仮想・拡張現実機器に適したOLEDディスプレイは、フレキシブル、ローラーブル、ベンダブル、ストレッチャブルディスプレイなどと様々な形で開発されることから、仮想・拡張現実用OLEDディスプレイ技術に関する出願件数は、今後も増え続けると見られる。
この5年間(2007年~2016年)の特許出願の内訳を出願者別に見ると、大手企業774件(60%)、中堅・中小企業142件(11%)、大学‧研究機関72件(6%)、個人70件(5%)、外国人237件(18%)という調査結果が出た。

 

主要出願メーカー別には、LG Electronics 465件、Samsung Electronics2 16件、Microsoft 51件、Samsung Display 29件、SK Planet 20件、Qualcomm 17件、LG Display 17件順に集計され、仮想・拡張現実用OLEDディスプレイ関連技術が韓国国内企業によってリードされていることが分かる。

 

仮想・拡張現実用OLEDディスプレイの応用分野別出願現況を見ると、個人向けエンターテイメント(ゲーム、テーマパーク、体験館)426件、防衛(戦争シミュレーション、武器開発、戦闘機操縦)169件、広告141件、医療(3次元シミュレーション、仮想内視鏡、模擬手術)131件、ヘルスケア123件、映画117件順となり、仮想・拡張現実用OLED技術は、ゲームや防衛産業分野で最も多く活用されていると考えられる。

特許庁のキム・ジョンチャンディスプレイ機器審査チーム長は「TVや携帯電話などの個人用製品を中心に進歩したOLEDディスプレイは、優れた映像を提供する技術力に基づき、仮想・拡張現実だけではなく、新たな産業分野へと活用領域が拡張すると見られる。また、OLEDディスプレイの寿命延長と使用温度範囲の拡大など、性能向上に向けた技術に関する出願件数が増加すると予想される」と語った。

特許庁はOLEDディスプレイ分野における特許競争力を高めるために、産業界と共同で「IP Together」を定期的に開催してきた。今後は「改正特許法説明会」などを通じ、関連情報を継続的に提供していく予定である。

 

UBI Researchが発刊した『2017 AR/VR用ディスプレイ市場レポート』では、AR/VR用OLEDディスプレイの出荷量は、2017年に260万個になり、AR/VR用ディスプレイタイプ別の出荷量全体の52%を占め、2021年には5,200万個になり、同市場全体の80%を占めると予想されている。

<AR/VR用ディスプレイタイプ別の出荷量展望、参考:UBI Research>

Fraunhofer FEP、OLED Microdisplayを基盤とする双方向のAR/VR HMD機器公開予定

ドイツFraunhofer FEPが10月19日から20日まで行われるAWE Europe 2017で、OLED Microdisplayを基盤とする双方向(Bidirectional)のAR/VR HMD(Head Mounted Display)機器を公開する予定を明らかにした。Fraunhofer FEPによると、OLED Microdisplayは、SVGA(800×600)の解像度を提供し、USBインターフェースとHDMIをつなげることで、2Dと3Dコンテンツの拡張現実と仮想現実を表現できる。更に、フォトダイオードを採用し、利用者の視線を感知する視線追跡システム(Eye Tracking System)が実現できると知られている。

 

<Fraunhofer FEPの新しいHMD機器、参考:Fraunhofer FEP>

Fraunhofer FEPの開発者であるJudith Baumgarten氏は、「今回の展示で、OLED Microdisplayの品質と様々な機能性を紹介することができる。電子設計分野でFraunhofer FEPのノウハウを証明できる良い機会になりそうだ」と述べた。

今までAR/VR機器は、主にエンターテインメントとゲーム分野において開発を行ってきた。しかし、Fraunhofer FEPは今回開発された機器で、デザイナーやエンジニア、外科医者などの業務をサポートし、ほぼ全分野において教育媒体として利用されると期待している。

拡張現実と仮想現実技術は、最近注目を集めている第4次産業革命における主要技術の一つで大きな注目を集めており、Oculus Riftや Gear VRのような製品を相次いで発売している。UBI Researchは、UHDコンテンツの量産と大容量コンテンツが高速転送できる5Gの導入が予想される2019年に、AR/VR市場が本格的に拡大し、2021年には拡張現実と仮想現実製品の総売上高が587億米ドルになると予想した。

【iMiD 2017】Samsung Display、OLEDを採用したアプリケーションを多数公開

韓国Samsung Displayは、先日8月28日から31日まで韓国釜山にあるBEXCOで開催された「iMiD 2017」で、VR(仮想現実)とLight Field Displayなど、OLEDを採用した多くのアプリケーションを公開し、大きな注目を集めた。

 

<Samsung Displayの展示ブース>

 

まず、Samsung Displayは、VR向け460ppiの3.5型OLEDと806ppiの3.2型OLEDを比較展示した。関係者は「ppiが高ければ高いほど、優れた現実感と没入感が体験できる。現在、より高解像度のOLEDを開発している」と述べた。

 

<460ppiの3.5型OLEDと806ppiの3.2型OLEDの比較>

 

また、Samsung Displayは、Future Display ZoneでOLED Light Field Displayを展示し、AMOLED Zoneでは、来場者がLCDとOLEDを直接比較するコーナーを設けた。

 

関係者はLight Field Displayについて「パネルの上に光学レンズを搭載し3Dを実現した技術で、光の干渉効果を利用するホログラムとは少し異なる方式だ」と説明した。また「30°より広い視野角(Viewing Angle)を開発している。現在、ピクセル、レンズ配列、光学設計などの課題がある」と述べた。

 

<OLED Light Field Displayに関する説明と仕様>

 

AMOLED Zoneでは、LCDとOLEDのコントラスト比を直接比較体験できるようにパネルを展示した。OLEDのコントラスト比と色表現力は、LCDに比べ明確な差があり、関係者は「この差がGalaxyシリーズにOLEDを採用している理由だ」と語った。

 

<OLED(左)とLCD(右)の画質比較>

 

他にもSamsung Displayは、1.3型Circle OLEDと12型FHD OLEDなどを披露し、展示会の開催期間中に来場者の関心を大きく引き付けた。

次世代OLED市場が予想できるネットワークの場、iMiD 2017 Industrial Forum

■ 「OLED新市場開拓に挑め」:OLEDアプリケーションの発展から見たOLED代替に関する論議

■ 「未来型ディスプレイの新技術に関する論議」:LCD、QD-LCD、OLED

 

 

OLEDはスマートフォンとTVのみならず、VR/AR、自動車、航空、照明などの全産業分野における拡散や融合可能という点から、今後のOLEDは発展する可能性が高い。そのため、様々な産業によるOLEDへの興味は増加を続けている。

 

このように高まる需要を満たすために、市場調査専門機関であるUBI Researchは、韓国ディスプレイ学界(KIDS)と30日(水)に韓国釜山にある国際コンベンションセンターBEXCOで「iMiD 2017 Industrial Forum」を共同開催する。

 

本フォーラムは、各分野の主要人物の発表やディスカッション(Panel Discussion)が行われる。ディスプレイだけではなく、様々な産業に従事している来場者に現在のOLED技術と市場情報を知らせ、今後切り開かれる新市場を模索する機会になると予想される。

 

第一に「OLED新市場開拓に挑め」セッションでは、OLEDアプリケーションの発展から見てみるOLED代替について発表が行われる。當摩照夫(Teruo Tohma)博士、韓国電子通信研究院(ETRI)のチョン・ウソク責任研究院、米国The Boeing CompanyのJulian K chang総括委員、山形大学の菰田卓哉(Takuya Komoda)教授、アルパイン株式会社の大西道久(Michihisa Onishi)首席研究員が講師を務める。

 

第二に「未来型ディスプレイの新技術に関する論議」セッションでは、次世代ディスプレイ技術の競争が繰り広げられている各TVメーカーの最新製品と技術動向について確認できる。LCD TV分野を代表する韓国Samsung Electronicsのノ・ナムソク常務は「Quantum Dot and Advance of LCD-TV」というテーマに、 量子ドット(Quantum Dots)技術の活用で改善されたLCD TVについて発表する予定である。

 

OLED TV分野においては、韓国LG Displayの担当者ヤン・ジュンヨン氏が「OLED、Now and Future」をテーマに、現在の市場及びトレンドによるOLED TVの現況に関するレビュー、フレキシブルと丸められる(Rollable)ディスプレイなど、様々なデザインを実現できるOLEDの未来について論議を行う。

 

次に、中国TCLの曹蔚然(Weiran Cao)首席研究員は「TCL Display Technology with QDs」をテーマに、TCLで研究開発を実施しているColloidal Quantum Dots技術の現況とLCDが採用されたTCL製品について発表する予定で、中国のプレミアムTVにおける戦略を確認できると期待を集めている。

 

今回のフォーラムを共同主催するUBI Researchのイ・チュンフン代表は「プレミアムTV市場拡大によるOLED TV市場展望」をテーマに、先に行われた発表内容を市場の観点から分析し、プレミアムTV市場の展望をまとめる時間を設けた。

 

「第17回 iMiD 2017 Industrial Forum」に関する詳しい情報は、‘iMiD 2017公式ウェブサイト(http://imid.or.kr/2017/indi_forum.asp)’で確認できる。

AR/VR用ディスプレイ市場レポート発刊 : AR/VR市場、2019本格極拡大 – その動力は?

■ 2021年AR/VRの総体売上高は587億米ドの見通し

■ UHDコンテンツの量産とVR用大容量コンテンツを高速転送できる5Gの導入が予想される2019年に拡大する見込み

 

最近、ICT(Information and Communications Technologies)技術の発展によって、第4次産業革命が新成長動力として注目されており、主要技術の一つである拡張現実(Augmented Reality、以下「AR」)と仮想現実(Virtual Reality、以下「VR」)に対する興味が高まり、Oculus RiftやGear VRなどの製品が続々と発売されている。

 

販売を開始したAR製品には、米国MicrosoftのHoloLens、米国GoogleのGoogle Glassなどのガラスタイプがあり、VR製品には米国Oculus VRのOculus Rift、台湾HTCのVive、ソニーのPlayStation VRなど、HMD(Head Mounted Display)-based VRのようなタイプと韓国Samsung ElectronicsのGear VRのようなSmartphone-based VRタイプがある。

 

7日に発行されるUBI ResearchのAR/VR用ディスプレイ市場レポートでは、2017年に1,700万個のAR/VR製品が出荷され、39億米ドル規模の売上高を達成すると予想される。特に、UHDコンテンツの量産とVR用に大容量データを遅延時間が生じない高速で処理またはストリーミングするための5Gが2019年から導入される見込みという。これによって、AR/VR製品の総出荷量は、年平均成長率54%で2021年には9,640万個になり、総売上高は587億米ドルになると予想される。

 

本レポートでは、AR/VR市場を分析するために、市場を大きく分けて製品とディスプレイに分類し、詳しくはAR/VR製品市場全体、VR製品タイプ別市場、AR/VR用ディスプレイ市場全体、AR/VR用OLEDとその他のディスプレイタイプ別市場に分類した。

 

VR酔いがなく没入感の高い仮想現実を体験できるためにLatency、FOV、Refresh Rate、高解像度のディスプレイ要件を主要な争点として分析し、2014年から2016年まで発売されたAR/VR製品をタイプ別にまとめた上で、ディスプレイの種類と主要メーカーの製品などに分類し、比較分析を行った。

 

また、米国のAppleとFacebookなど、主要ITメーカーによるAR/VR製品の発売現況、関連特許、関連メーカーの買収などの事業推進現況や主要パネルメーカーにおけるAR/VR製品の展示動向をまとめ、関連メーカーには業界の主要動向を把握する際に参考になるとみられる。

 

UBI Researchは、2017年のAR/VR用OLEDの出荷量は260万個になり、その他のディスプレイの出荷量は240万個になると予想し、全体市場の占有率については、OLEDは52%になり、その他のディスプレイは48%になると予想した。また、2021年には5,200万個を出荷し、全体市場で80%を占有することになると予想した。

<AR/VR用ディスプレイのタイプ別出荷量展望>

仮想現実用HMD機器に必須となったOLED

次世代融・複合ゲームショウPlayX4の開幕式が、5月25日に韓国京畿道高陽市一山にあるキンテックス(KINTEX)第2展示場で行われた。イベント現場では、多くの企業が仮想現実コンテンツを披露した。特に、没入感を向上しながらVR酔いを軽減するために、Oculus Rift、HTC Vive、Gear VRなど、OLEDを採用したHMD(Head Mounted Display)機器を使用したのが特徴的だった。

 

仮想現実ゲーム専門開発者である韓国Realitymagiqは、マルチプレイ対応のゲームを展示した。ディスプレイと仮想現実の没入感ついて、Realitymagiq金・ソンギュン代表は「仮想現実の没入感を高めるためには、まず機器の性能が大事で、VR酔いを引き起こす主要原因となるLatencyを下げられるOLEDがあるだけで十分だ。ただ、解像度を今以上に向上させ、GPUの性能も改善すれば、没入感は一層高まる」と述べた。

 

 

他にも韓国Motionhouseは、実際にドライブする際に発生する車体の傾きやエンジンの振動などが体験できる‘MotionGear’を展示した。仮想現実用ヘッドセットには、OLEDを採用したOculus Riftが使用されており、企業関係者は「アトラクションに採用する時、VR酔いを最小限に抑えられる製品はOculus Riftだけだった」と語った。

 

 

Latencyとは、CPUがTrackerから届く情報を入力して、コンテンツを出力する間の所要時間を意味する言葉で、ディスプレイの応答速度とグラフィックカードの情報処理速度などに関わる。仮想現実で求められるディスプレイの応答速度は、3ms以下と知られており、韓国Samsung Displayは、自社ブログでOLEDとLCDの応答速度を比較し、OLEDが仮想現実用HMD機器に最適なディスプレイであることを強調した。

 

<LCDとOLEDの応答速度比較、参考:blog.samsungdisplay.com>

 

実際に、現場ではVRコンテンツを提供する多数の企業が、Oculus Rift、HTC Vive、Gear VRなど、OLEDが採用されたHMD機器を使用していた。それに対して、来場者は特にVR酔いを感じず、仮想現実コンテンツを楽しめたと語った。

 

Oculus RiftとHTC Vive以外にも、最近発売されたソニーの‘PS VR’とRoyoleの‘Royole Moon’などがある。多くのHMD製作会社が、LCDではなくOLEDが採用されたHMD機器を発売するなど、仮想現実機器へのOLED採用がどんどん広がっていくことが予想される。