CES 2018、中・低価格帯スマートフォンのガチンコ対決に向けた前哨戦となる

Samsung ElectronicsとLG ElectronicsがCES 2018で、注力スマートフォンではない中・低価格帯スマートフォンを公開することが知られている。

Samsung ElectronicsはCES 2018で5.6型Galaxy A8と6型Galaxy A8 Plusを披露する。Galaxy A8(2018)シリーズはベゼルがほとんどないGalaxy S8のデザインと同様に18:9比率(アスペクト比)のフルスクリーンOLEDを採用するという。

<Samsung ElectronicsのGalaxy A8、参考:news.samsung.com>

LG ElectronicsはK3、K4、K8、K10のKシリーズ4機種を披露する。その中でK10は5.3型FHD LCDを採用し、韓国ではXシリーズという名前で1月末に発売開始する予定と知られている。

 

しかし、今回Samsung ElectronicsとLG Electronicsの中・低価格帯スマートフォンの公開について、北米スマートフォン市場への進出を宣言したHuaweiを牽制するための動きという観点もある。

 

Huaweiは最近AT&Tと提携し、2018年2月から米国でMate 10シリーズの販売を予定している。Mate 10は5.9型IPS LCDを採用、Mate 10 PROは6型OLEDを採用した製品である。Huaweiは今年Appleを追い抜き、世界第2位のスマートフォンメーカーとして位置付けるために北米市場へ積極的に進出すると宣言したことがある。

 

Samsung ElectronicsとLG Electronicsが注力スマートフォン以外の中・低価格帯スマートフォンの仕様をプレミアムレベルにアップし、注力スマートフォンの新製品が発売されるまでスマートフォン市場を牽引し続け、Huaweiを始めとする他メーカーを牽制するためであると考えられる。

 

北米で発売されるHuawei Mate 10シリーズの価格と通信会社など、詳しいことはCES 2018で公開される予定だ。

<HuaweiのMate 10 Pro、参考:GSMArena.com>

LG Display、世界初88型8K OLEDディスプレイ開発

LG Displayは先日1日にFHD(1920×1080)より16倍、UHD(3840×2160)より4倍(7680×4320)鮮明な3,300万画素の88型8K OLEDディスプレイを世界で初めて開発したことを明らかにした。

 

今回の製品は今までのOLED TVラインアップにおける超大型・超高解像度のプレミアム製品で、8K時代を目前に控え、LCDに比べOLEDは繊細な画質の実現に技術的な限界があるという意見を払拭しながらOLEDの歴史を書き換えることができたと評価された。

 

一般的にディスプレイの解像度が高くなると微細な表現が可能で鮮明な画質を実現できる一方、画面を構成する画素(Pixel)のサイズが小さくなるとともに開口率の低下が起こるため、輝度の実現は難しくなる。

 

OLEDは自ら光を発するディスプレイとして、開口率低下による輝度低下が発生しないため、8Kの超高解像度実現が容易である。さらにLG Displayならではの革新的な工程/設計や補償技術を基に、8Kまで実現できる技術を確保した以上、OLEDが超大型/超高解像度市場をリードし続けると期待される。

 

OLEDは8Kという高解像度でも従来のスリムなデザインを維持できるが、LCDは輝度を実現するためにバックライトの追加が必要となり、重量と体積が増えることもある。

 

現在の技術でLCDは、ディスプレイのベゼル部分にバックライトを搭載するエッジタイプで4Kまでは製造できるが、8Kの場合4K相当の輝度や画質を実現するには、パネルの後面にバックライトを結合するダイレクト方式を採用しなければならないため、必然的に製品は重く、厚くなる。

 

一方、自発光ディスプレイのOLEDに関しては、薄くて軽い製品デザインを特徴に超高解像度市場をリードし続けるという計画がある。

 

LG Display最高技術責任者(CTO)のカン・インビョン氏は「LG Displayは世界初8K OLEDディスプレイの開発に成功することで、8K時代を迎える準備を先立って行うと同時にOLEDの圧倒的な技術力を立証した。今後もOLEDで顧客と市場が求める差別化された製品を提供するために研究開発をより一層加速化する」と述べた。

 

LG Displayは2018年1月9日から12日まで米国ラスベガスコンベンションセンターで開かれるCES 2018の展示会期間中に特別展示館を設け、8K OLEDを始めとする革新的な製品を披露する予定である。

LG Display中国工場承認、大型OLEDの絶対強者としての位置づけを固め

LG Displayによる中国広州に第8.5世代OLEDパネル工場への投資計画が承認を得た。今まで技術流出を懸念し承認を先延ばしにしてきた政府が「条件付きで承認」を決定し、TV用OLEDパネルの製造工程建設が本格的に実施される。

 

産業通商資源部は先日26日政府委員と民間委員20余名が参加する「第17回産業技術保護委員会」を開催し、LG DisplayによるOLEDパネル製造技術の海外展開案を承認した。政府は国広州に第8.5世代OLED設備投資を許可するにあって、装置・材料の国産化率維持、現地でのセキュリティ対策強化、韓国国内における次世代技術への投資など、3つの条件を提示した。

 

今回の承認でLG DisplayはTV用OLEDパネルの生産性向上と市場競争力強化を実現できると見られる。また、中国TV市場での売上高増大と関税削減の効果も期待される。先日8日に韓国釜山にあるBEXCOで開催されたIMID 2018でLG Display最高技術責任者(CTO)のカン・インビョン氏は「最近OLED TVは北中米とヨーロッパのプレミアムTV市場におけるLCD TVの占有率を追い越したものの、中国市場においては状況が異なる。世界最大のTV市場として挙げられている中国で、OLED TVの市場占有率をさらに引き上げるべきだ」と明らかにしたことがある。

<グローバルOLED TV市場占有率、参考:LG Display>

LG Displayは今回承認された中国広州の第8.5世代OLEDラインと同時に韓国坡州の第10.5世代ラインを迅速に建設し、大型OLEDにおける位置づけを固めるという計画を示している。UBI ResearchはLG Displayによる55型以上の大型OLEDパネルの出荷量について、2018年に240万台になる見込みで、2022年には1,000万台にまで増加すると予想した。

<55型以上のOLEDパネル出荷量展望>

OLED採用の「Galaxy Book 12.0」 日本でも発売開始

<Galaxy Book 12.0、参考:news.samsung.com>

Samsung ElectronicsはWindowsタブレット「Galaxy Book 12.0」を発売した。12型OLEDディスプレイを採用、アスペクト比は3:2で解像度は2,160 × 1,440である。サイズは291.3 × 199.8 × 7.4 mm(WLH)、重量は754g、公式販売価格は139,800円を予定している。

 

Galaxy Book 12.0は今年2月26日にスペインバルセロナで開かれた世界最大の移動通信展示会MWC 2017で公開された製品で、韓国では4月に事前予約販売が実施された。MWC 2017でSamsung Electronics関係者は「Galaxy Bookをベースに、タブレットPCとノートパソコン市場を同時に攻略できると予想し、AMOLEDパネルの欠点になるバーイン現象もノートパソコン用に使用できるほど改善された」と明らかにしたことがある。

 

今までモバイル機器とTVに多く採用されてきたOLEDは、最近タブレットとノートパソコンにも採用されつつ、アプリケーションへの採用範囲を徐々に広げている。2017年初にはAlienwareが13.3型OLEDを採用した‘13 R3 2017’を発売し、Lenovoも2017年7月に14型OLEDを採用した‘X1 Yoga 2017’を発売した。

 

最近、様々アプリケーションに採用されることで、ディスプレイの主流として位置付けているOLEDがタブレットとノートパソコン市場においても、その影響力を発揮し続けられるかどうかに注目が集まる。

5.5型OLED採用の「Nokia 9」発売予定

Nokiaの次期フラッグシップスマートフォンモデル「Nokia 9」にOLEDが採用されることが見込まれている。GSMARENAは先日19日に米国連邦通信委員会(FCC)の資料を基に、Nokia 9のスペックを公開した。GSMARENAによると、LG Displayの5.5型OLEDディスプレイを搭載し、1440 x 2560の解像度と16:9のアスペクト比を持つ。旧モデルのNokia 8には5.3型のIPS LCDが採用された。

<Nokia 9のイメージ、参考:gsmarena.com>

Nokia 9の後面には1,200万画素と1,300万画素のデュアルカメラ、前面には500万画素のカメラが搭載される。ストレージは128GB、チップセットはQualcomm Snapdragon 835を搭載、バッテリー容量は3,250mAhになる。価格と発売日などはまだ未定である。

<Nokia 9の主要スペック、参考:FCC>

NokiaがOLEDを採用したモバイル機器を発売するのは、今回が初めてではない。Nokiaは2011年6月に4型OLEDを採用した‘X7-00’、第3四半期には3.5型OLEDを採用したT7、11月には3.7型OLEDを採用したLumia 800を発売するなど、2011年にOLEDを採用したモバイル機器を多数発売したことがある。

 

今回発売予定のNokia 9は、9月に中国Baiduで流出されたレンダリングイメージのようにフルスクリーンの曲面ディスプレイと3Dカバーガラスが採用されると考えられる。

LG V30+、日本とインドで販売開始

日本のITmeadiaによると、NTT docomoはLG Electronics製スマートフォン‘V30 + L-01K’と‘JOJO L-02K’の事前予約の受付を12月20日12時からdocomoの販売店とウェブサイトで開始したことを明らかにした。V30 + L-01Kの発売時期は2018年1月末、JOJO L-02Kの発売時期は2018年3月を予定している。

<JOJO L-02K、参考:nttdocomo.co.jp>

V30 + L-01Kには6型QHD OLEDを採用、1,650万画素と1,310万画素のデュアルカメラを搭載し、もう1つの広角カメラを使ってワイドな写真を撮影できる。

 

JOJO L-02Kは「ジョジョの奇妙な冒険」の連載30周年を記念してコラボレーションした製品。1万台限定で販売価格は12万5,712円(税込)予定である。また、AR撮影モードを搭載し、キャラクターがそばにいるような効果もあることが知られている。

 

一方、V30+はインドでも12月18日に発売された。価格は4万4,990ルピー(約7万円)で、Aurora BlackとCloud Silverの2色が先に発売され、他の色は今後追加されるという。1回無料でディスプレイを変更できるのが特徴で、amazon.inでのみ購入できる。

OLED専門グローバルリサーチ機関UBI Research、中国深圳ディスプレイ協会の海外専門家として招聘され

<右側: 中国深圳ディスプレイ協会の副社長兼事務局長Jeff Kwok(郭灝明、Executive Deputy)
左側: UBI Research代表イ・チュンフン(李忠壎)>

先日11月25日に中国の深圳ディスプレイ協会の副社長兼事務局長Jeff Kwok(郭灝明、Executive Deputy)はOLED専門グローバルリサーチ機関UBI Researchの代表イ・チュンフン(李忠壎)を協会の海外専門家として正式に招聘した。

 

深圳ディスプレイ協会は2005年1月に約30社の主要企業が先駆けて設立し、2009年にはタッチスクリーン分会を設立した。中国で初めて設立したディスプレイ協会で、会員は全て韓国国内外を問わず、深圳市の地域的限界を超え、現在中国における最大規模と影響力を持ちながら、産業発展のために積極的に活動している。

 

2014年深圳ディスプレイ協会は専門家委員会を設立し、会員単位及び産業に関わる企業の要求事項を満たすために努力を惜しまず、技術指紋サービスなど、様々なサービスを提供している。

 

協会の専門家委員会は全て各領域の技術専門家や業界トップレベルのアナリストで構成されている。構成員は韓国国内外ディスプレイ産業の全分野にわたり、企業、学校、化学研究機関、業界分析機関などから招聘されており、中国ディスプレイ産業の健全な発展に向け、強い人材基盤を構築するために努力している。

 

UBI Researchは深圳ディスプレイ協会の専門家委員会への参加によって、OLED産業においてグローバルリサーチ機関として韓国や中国、さらに世界OLED産業の発展に貢献するために力を尽くす決意を示した。重要市場として認識されている中国ディスプレイ産業で、様々な企業と関係を築き、OLED産業における信頼度高い市場分析サービスと提供する予定である。

RGBインクジェットプリント技術、中小型OLEDにも採用されるのか

先日12月7日に韓国ソウル三成洞にあるCOEXで開催された「OLED/ディスプレイ下半期セミナー」で、Unijetのキム・ソクスン代表は、インクジェットプリント技術によって、550ppi以上のRGBピクセルを形成し、中小型OLED工程にもインクジェットプリント技術を採用できると発表した。

現在量産している5.5型モバイル機器のQHD解像度は550ppi程度で、Pentile構造であることを鑑みると実際には400ppi相当である。一方、RGBピクセルを形成するためのインクジェットプリント技術は、現在150~200ppi程度で、55型以上のOLEDに8Kの解像度まで実現できるが、中小型OLED工程への採用はまだ難しい。キム代表の発表通り、中小型OLED工程に550ppiを形成可能なインクジェットプリント技術が採用されると、5.5型でPentile構造を基準にUHD解像度を実現できる。

<サイズと解像度によるppi>

キム代表は「2012年にSingle droplet measurement技術による吐出量のバラツキは2.5%程度で、RGBプリントには実現できない技術だった。2017年にLaser droplet measurement技術で0.1um以下に吐出量を制御できるようになり、リアルタイムで内部の圧力を調整し、バラツキを0.1%以下に抑えた」と述べた。これにより、ピクセル構造とは無関係に550ppi以上のRGBピクセルを形成できると説明した。

最後にOLED RGBピクセル用インクは、溶媒の純度が非常に重要であると述べ、「パネルメーカーが求めるインク材料の開発が先に行われた上で、インクジェットプリントを常用化できる。2020年以降になると、本格的に量産ラインへ採用できる」と予想した。

フレキシブルOLED、2019年を基点にOLEDパネル市場を主導

■ 2019年にフレキシブルOLEDは4億8,000万個出荷、リジッドOLED出荷量を超える見込み

■ フレキシブルOLEDのうち、フルスクリーンOLEDは2022年まで平均78.3%の市場占有率で、市場を主導する見込み

■ Foldable OLEDは2019年から本格的に出荷する見込み

フレキシブルOLEDの出荷量は2019年にリジッドOLEDの出荷量を超える見込みだ。UBI Researchが発刊した「2017 Flexible OLED Annual Report」によると、フレキシブルOLEDは2019年に4億8,000万個出荷され、4億900万個のリジッドOLEDの出荷量を超える見通しとなった。また、フレキシブルOLEDの出荷量は2018年から年平均41%で成長し、2022年には12億8,500万個になり、売上高は594億米ドルを記録すると予想される。

<2018~2022年におけるOLED基板別市場占有率の展望>

最近モバイル機器において、ハードウェア技術の向上が標準化され、プレミアム市場を目指すセットメーカーはOLEDを採用し、製品の差別化に取り組んでいる。特に同一サイズモバイル機器でも、より広い画面を求める消費者のニーズが高まり、セットメーカーはフルスクリーンを実現可能なフレキシブルOLEDの採用を始めた。

 

そのため、パネルメーカーもフレキシブルOLEDの量産に向けた投資を継続的に推進している。特に2018年からBOEとCSOT、Visionoxなど、中国パネルメーカーによる第6世代フレキシブルOLED量産への投資が本格化すると予想され、中国におけるフレキシブルOLEDの出荷量は年平均59%で成長し、2022年には3億5,400万個に達すると見込まれた。

 

本レポートでは、リジッドOLED及びフレキシブルOLEDの構造と工程を比較し、Foldable OLEDを実現するための技術開発動向を層(Layer)別に分析した。また、フルスクリーンOLEDを採用しモバイル機器を発売したSamsung Electronics、Apple、LG ElectronicsにおけるフレキシブルOLEDの採用技術を比較し、2018年から2022年までのフレキシブルOLED市場をフレキシブルタイプと国別、世代別など、様々な観点から分類して予想を行った。

 

フレキシブルOLEDの中でフルスクリーンOLEDは2018年に2億6,500万個出荷され、市場占有率82.1%になり、2022年には10億2,200万個の出荷で79.5%を占め、フレキシブルOLED市場をリードすると見込まれた。また、最近大きな注目を集めているFoldable OLEDは、2019年から500万個出荷され、2022年には5,300万個に拡大することが予想された。

<2018~2022年におけるFoldable OLED出荷量展望>

LGとSonyの実績向上に貢献したOLED TV

先日7日に韓国ソウルにあるCOEXで開催された「OLED/ディスプレイセミナー」で、ソ・ヒョンチョル理事は、OLED TVがLG Electronicsにおける2017年第3四半期営業利益率9.9%を引き上げたと述べた。特にOLED TVが3,000米ドル以下になり、需要が急増したと説明し、現在OLED TVを量産しているSonyとLG Electronicsが今後もプレミアムTV市場をリードすると予想した。

特にソ理事は、Sonyが12年ぶりにプレミアムTV市場で1位を記録したと説明し、Sonyの株価が2013年比445%上昇した原動力の一つがOLED TVだったと説明した。続いて「Sonyは55型と65型TVに注力することで収益構造を改善し始めた。2017年にはOLED TVをローンチし、安定的なTV事業構造を構築した」と評価した。

またLG Displayの第10世代OLEDラインへの投資が予想より早まるとの見通しを明らかにした。ソ理事は来年に開催される平昌オリンピックとロシアワールドカップによる大型OLED TVのニーズも増えつつあり、Sonyからの要請も予想されるため、OLEDラインへの投資は加速する見込みであることを明かした。

ソ理事はOLED TVパネルにおける歩留まり率の向上で、コスト削減の加速化が実現できると述べ、「55型LCDパネルの生産コストは232米ドルで、十分な歩留まりに達していいるため、コスト改善が容易ではないが、55型OLEDパネルの生産コストは現在の545米ドルから、歩留まり率の向上によって、378米ドルまで下がる可能性があり、価格競争力が一層激しくなる」と予想した。

最後にLG DisplayのE4-2ラインが2018年にフル稼働し、OLED TVパネルの販売量は290万台に達する見込みで、パネル事業の黒字転換によって、2019年にはOLED TV事業の営業利益率が17.3%になると予想した。

<LG DisplayのOLED TV戦略、参考:Shinhaninvest>