[CES2017] TVの帝王-王の帰還

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10年前まではTV市場の至尊として君臨したが中価TV市場でサムスン電子とLG電子に負け、低価TV市場では製品を出すこともできずTV辺方で追い出されプレミアムTV市場だけを守っていたSonyがCES2017でOLED TVを持って派手に帰還した。

Sonyは TV 市場で一番強い面貌を持っておりTVがSonyの顔の役目をしていたためいつもCESとIFAでは展示場の入口の真ん中を占めた。しかしTV 事業で数年間の赤字を出してTV事業が縮まり、去年のCES2016とIFA2016ではカメラがTVの代わりをした。展示に参加した多くの観覧客がSonyがTV事業で没落していることを実感しこれからはカメラ会社に変身すると考えた。

しかし Sonyは今までの不尽を踏みCES2017でもう一度TV市場で王になるとを宣布した。TVがカメラを退けてまた展示場の入口の真ん中を占めた。しかしこのTVは今までSonyが売ったLCD TVではなくてOLED TVである。

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LGディスプレイが生産した77インチと65インチのCrystal Sound OLEDパネルにSonyが直接開発した4K HDRプロセスX1を搭載したBRAVIA OLEDを全世界に公開した。

今まで見たOLED TVとも柄が違うことが分かった。一言で表現すると「WOW」だ。世界で一番美しく格調あるTVであると表現することができる。横に展示されている既存のBRAVIA LCD TVとは比較できない状況であった。この LCD TVはQuantum dot技術を使っていてLCD TVの中では一番画質が優秀なTVである。それにもかかわらずこれらのLCD TVは新たに初公開するOLED TVとは比べることができない下等品(low grad)に転落してしまった。

Sonyの展示関係者によるとSonyがOLED TV事業を決めたきっかけはSonyが求めていた画質がついに完成されたからであると説明し量産はまだ決まっていないが今年2四半期以後になると言及した。

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今までのOLED TV市場はLG電子によって主導されていたがSonyの加勢によってOLED TV市場はいっそうもっと盛り上がる見込みである。

今後のプレミアムTV市場はOLED TVを中心にLG電子とSonyがリーディングするだろう。

[CES2017] LGディスプレイ、世界初の話すディスプレイ開発成功

LGディスプレイが平板ディスプレイが叶えたかった夢を技術を完成させてCES2017プライベートブースでこの製品を初公開した。

LCDが平板ディスプレイの代表者として落ち着き始めた頃に多くのディスプレイエンジニアがスピーカーをディスプレイに付ける製品を開発したがった。しかしスピーカーの振動が液晶の動きに影響を与える可能性があり結局スピーカーとディスプレイが一体化することはできなかった。

しかしLCDのこのような限界がOLEDで解決された。ディスプレイとスピーカーが一体化できるコンバージェンスが LGディスプレイによって完成されたのである。

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OLED パネルの裏2か所に小型スピーカーを直接附着して音がディスプレイから直接出るようにした。 この方式を使うと俳優が話す時、音が画面から出る感じにすることができる。スピーカーの個数を増やせば画面から立体効果を出すことができる。

パネルがスピーカーの動きによって一緒に震動するため音響効果によってパネルに置かれた小さな玉が波状的に動いた。逆に表現すると音が見られるようになった。

誰も成功することができなかったと言うディスプレイがついに実現したのである。このディスプレイの名前は「Crystal Sound OLED」である。

Crystal Sound OLEDの開発を主導したLGディスプレイのヨ・サンドク社長は初めの開発段階にはOLED パネルの信頼性に影響が生じる可能性があると懸念していたが結局は世界最初の製品開発が成功したと誇りを述べた。ヨ・サンドク社長はOLED TVの開発を主導したLGディスプレイの最高首長として生涯最高の作品を作ったことに対して喜びを隠さなかった。

ヨ・サンドク社長は今年からはOLED事業首長からCMOに就いた。ポジションは違うが相変らずLGディスプレイのOLED 未来を導くだろうと期待される。ヨ・サンドク社長は今後の本人の役目をOLED 生態系がより丈夫で元気になることができるように最善をつくすと今後の抱負を明らかにした。ヨ・サンドク社長は今年から韓国情報ディスプレイ学会(KDIS)の会長を引き受けた。数年間のLCDとOLEDの開発経験を土台として韓国ディスプレイ学会がより発展できるように産学研をよくまとめるリーダーになることと期待される。

[CES2017] LG電子プレスカンファレンスと展示動向

OLED TV市場をほとんど独占しているLG電子がCES2017プレスカンファレンスで言及した2017年の新しいOLED TVは「LG Signature OLED TV W」である。「W」が意味するのは「Wallpaper TV」だ。

LG電子が今年から販売するOLED TV WはTVの厚さがわずか2.57mmに過ぎない。LCD TVと違いバックライトがないからである。最近LCD TVは輝度をあげるために直下型バックライトを使用しておりこのような製品はむしろ厚さが厚くなっている。

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LG電子は OLED TV Wが非常に薄く相対的に重さも軽いため壁に付けて使用することができること

を強調するため硝子にOLED TV Wを付けて展示した。スピーカーは別途にTVの下に設置してドルビ

ーシステムを使用している。

 

LG電子の展示場はますますもっとOLED TVでうめられている。全体の展示空間の約30%がOLED T

Vのための空間である。

IFA2016のようなOLED TVドームが展示場の残りの空間を占めておりHDR技術が接木されたOLED TV

の画質の優秀性が紹介された空間があった。

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展示空間の真ん中にはプレスカンファレンスで紹介されたOLED TV Wが展示されている。

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今回のCES2017でLG電子のOLED TVは去年のIFA2016とほとんど同じだったため技術的な新規性またはデザインの新規性等は発見されなかった。

[CES2017] Media Day:自動車名門とディスプレイ名門の出会い

CES2017の事前行事であるPre-CES2017 Media Eventでクライスラーは、次世代コンセプトカー「ポータル(POTAL)」を紹介するイベントを開催した。

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クライスラーが見る未来で、人間が生活する空間は、家庭と職場、自動車の3つの領域に分類され、自動車を「第3の領域(Third Space)と称した。自律走行が可能となる未来の自動車では、運転者が運転をしないので、車の内部でも、自宅や職場でのように様々な活動ができるからである。

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「ポータル」の内部デザインは、とてもシンプルにまとめられた。まず、ハンドルは、ダッシュボード(dash board)に収納できるようになっている。インパネ用ディスプレイは、「ハイマウント(high-mount)」タイプで、ダッシュボード上部に設置され、視認性が非常に高くなるように設計した。このディスプレイは、走行情報をはじめとして、外部環境へ接続することができる「コネクティッド(connected)」技術が融合されている。ダッシュボード(dash board) の下部にもディスプレイが設置されている。

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未来の自動車時代を開くために準備した「ポータル(POTAL)」の室内前面にあるディスプレイはすべてAMOLEDで構成されている。「ハイマウント(high-mount)」AMOLEDは、フレキシブル(flexible)OLEDであり、下部はガラスで作られた12インチAMOLEDである。この二つのディスプレイは、すべてサムスン・ディスプレイが供給した。

これまで、様々な自動車ショーで紹介されたコンセプトカーに曲面のディスプレイが装着された製品が多く使われたが、フレキシブル(flexible)OLEDを直接使用し展示されたのは今回が初めてだと思われる。

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「ポータル(POTAL)」に使われたフレキシブル(flexible)OLEDは、外部から入ってくる光から情報損失を最小限に抑えるために、反射処理が非常に優れていたし、スクリーンをブラックで処理し、視認性も最高の状態であった。

自動車名門とOLED名門が会って、新技術が誕生している。

モバイルディスプレイで世界最高の技術力を持つサムスン・ディスプレイが提供したフレキシブル(flexible)OLEDは、当分の間は、車には使われないだろうと予想される。AppleがiPhoneにフレキシブル(flexible)OLEDを本格的に使用して、サムスン電子も、次期GalaxyS8にはすべてフレキシブル(flexible)OLEDだけで構成する事が予想されることから、現在進行中のフレキシブル(flexible)OLEDラインとしては、スマートフォン市場対応にもキャパシティが不足している。サムスン・ディスプレイは、フレキシブル(flexible)OLED供給不足が2019年まで続くと分析されることから、世界最高の名品インパネは、2020年頃から見ることができるだろうと予測される。

 

LGディスプレイ、CES 2017で次世代市場に先導技術を大挙公開

出典 : LGディスプレイ、CES 2017から次世代市場に先導技術を大挙公開

<出典 : LGディスプレイ、CES 2017から次世代市場に先導技術を大挙公開>

LGディスプレイが1月5日から8日まで米国ラスベガスで開催される‘CES(Consumer Electronics Show)2017’展示会期の間、さらに多様な製品と限界を超えたNext Levelの差別化された技術力を披露する、積極的なマーケティングに挑む。

LGディスプレイは、米国ラスベガスのコンベンションセンターに顧客社専用の特別展示館を設け、4日から8日まで‘Our Technology, Your Innovation’というスローガンのもと、LGディスプレイだけの一歩進んだ差別化された技術で、顧客の革新を共に成し遂げていく意思を伝えている。

特にLGディスプレイは、今回の展示会で極上の高画質は基本、OLEDの次元が違うデザインと無限な可能性を実現させた新製品など、LGディスプレイだけの差別化された技術力で、顧客に新しい未来を提案する多様な製品を披露する予定だ。

■    極上の高画質、デザインの限界をなくした想像以上のOLED新製品初公開

LGディスプレイは次元の違う画質を具現するだけでなく、応用範囲とデザインの側面でも可能性が無窮無尽な、OLEDだけの差別化された価値を実現した製品を大挙公開する。

今回展示される55インチFHD透明ディスプレイは、既存製品に比べ色合いが改善され、さらに自然な透明感のある画面を具現した。紙のように薄い革新的なデザインのWall Paper TV用ラインアップは、UHD 65インチ、77インチが展示される。UHD 77インチ両面ディスプレイとUHD 77インチ6台で構成される、柱形態のコマーシャルディスプレイなど、未来志向的な製品も多様に展示され、画質それ以上の価値を提供する、OLEDの多様な可能性を提示する予定だ。

■    とどまることなく進化し続けるIPS、限界を超えるLCD技術を披露

LGディスプレイの広視野角、高解像度技術のIPSがもう一段階さらに進化する。LGディスプレイは、さらに高まった透過率と、アップグレードされた画質を基盤にWCG(Wide Color Gamut, 広範囲の色再現率を具現する技術)、HDR(High Dynamic Range、明暗比を極大化する技術)、高解像度技術ソルーションを通じて、画質の性能や価格競争力をすべて高めたIPS製品を多様に公開する。

特に今回の展示会で披露するIPS Nano Color技術は、ナノ(Nano)サイズの高色再現粒子を使用して、より正確で豊富な色を表現できる、LGディスプレイのWCG技術だ。これにIPSが持つ広視野角という長所が追加され、どの角度からでもより正確な色を体験できるようになった。今回の展示には、65インチUHD製品に対応して披露される。

■    in–TOUCHを通じたタッチ使用者の経験拡大とDisplay本然の画質を向上させた製品の公開

LGディスプレイは、タッチセンサーをパネルに内在化したin-TOUCH技術を、24インチ級モニターまで拡大適用する一方、デザインの良質を掲げて大型化、高解像度製品の戦略でIT市場でも差別化された価値を提供する。

in-TOUCH技術は、タッチカバーグラス(Touch Cover Glass)が必要ないため、さらに薄く軽い製品を可能にした。それだけでなく13.3インチin-TOUCHパネルに Active Pen Solutionを適用し、既存のAdd-on(パネルの上にタッチセンサーを追加する方式)技術に比べて外郭部分でのタッチの正確度が高く、タッチの認識速度が速いため繊細な筆圧表現が可能だ。

さらに株式取引など事務環境の他、映画鑑賞、没入感のあるゲーミングなどに適合した、世界最大の38インチ級の曲面モニター、実物と変わりない画質を具現した32インチ級の8Kモニターなど、放送の他、映像編集のための専門家用HDR対応モニターパネルも多数披露される。

■    画質の優秀性とデザイン自由度のクラスが違うP-OLED未来バージョン提示

LGディスプレイは真似のできない画質と、デザイン自由度のP-OLED(プラスチックOLED)技術で、次元の違う自動車用未来製品を提案する。

大画面そして完璧なブラック表現が可能なだけでなく、デザインの柔軟性まで高いP-OLED技術は、車の曲面とマッチして、車インテリアの新しいビジョンを提示するのに最適な技術だ。LGディスプレイは、安全と便宜性を向上させる計器盤表示装置(Cluster)、中央画面表示装置(Center Information Display)、助手席ディスプレイと同じく大型透明OLED、鏡形OLEDなどの未来コンセプトの製品を、実際に車で使用するような体験ができる展示スペースを用意した。

合わせてLGディスプレイは、5.5インチQHD P-OLEDで本格的な中小型OLED市場進出を狙う。この他にも円形、四角など多様なデザインのスマートウォッチ用P-OLED製品を披露する。

LGディスプレイのハン・サンポム副会長は、“LGディスプレイは差別化された技術で、市場の期待を上回る新しい価値を提供できる先導的製品を提案してきた”と、“次世代ディスプレイのOLEDだけでなく、既存の限界を超えた新しい技術で、これからも市場に先制して対応し、市場と顧客に差別化された価値を提供、先導企業としての存在感を確固していく”ことを明らかにした。

NHK、130inch 8K OLED Display 公開

10月4日から7日まで日本の東京で開催されたCEATEC JAPAN 2016で日本の公営放送であるNHKで未来のTVのフォームファクタと関わるリサーチの一環として130inch 8K OLED Displayを公開した。

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今回公開された130inch 8K OLED Display 日本のAstro Designと共同開発され、LG Displayの 65inch 4K OLED panelを横縦2枚ずつ計4枚を頼み製作された。

パネルの厚さは約1mmに過ぎずdisplayを固定するため裏板を付けた後も2mmに過ぎない超スリムdisplayを具現した。

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NHKは10年以上8K放送技術を開発し、初の開発製品は 2002年に初公開した。 またリウオリンピックで衛星を使った試験放送を流した事があり、2018年にレギュラー8K放送の開始を予告しており、リアルタイムでのサービスの提供は2020年の東京オリンピックを目指している。

コンテンツ市場はUHDに引き継いで8Kに対する開発が集中的に行われている。これに対応するためLCD陣営でも8Kに対する開発が集中的に行われており、次世代のプレミアムTV市場の核心となることと予想される。

対面的OLED displayもプレミアムTV市場でLCDとの競争のためには8Kに対する開発が積極的に行われなければならない時点だと分析される。

[KVRF 2016] VR産業でもOLEDが主導

仮想現実(VR)と拡張現実(AR)産業の現在と未来をみることができるKorea VR Festival 2016(以下、KVRF2016)が10月6日から9日まで上岩(サンアム)DMCヌリクムスクェオで開催された。

 

今回の行事には、サムスン電子、サンファ企画、オキュラス、ソニーなどのグローバル企業をはじめ、企業79社が参加したし、共同制作センターと野外センター、ビジネスセンターなどに約157個のブースが設けられ、各メーカーの新技術を確認することができた。

<サンファ企画の巨大ロボットアームを用いたVRシミュレータ>

最近、ポケモンGOによって、VRとARについての関心が高まっている中、多くの見物客たちが興味を持って訪問したし、各企業は、それに合わせてFPSやスキージャンプなどのゲームコンテンツをはじめ、ローラーコースターとパラグライディング、石窟庵体験など、様々な体感型コンテンツを披露した。それだけでなく、BIOTECHでは、アイトラッキング(Eye-tracking)連動型認知集中力訓練システムを、そして、P&C Solutionでは、軍シミュレータ用VRゴーグルを披露するなど、単純にゲームに限定されず、VR産業が教育や健康、軍分野など全分野にわたり、多様に適用することができるということを示した。

<エムゲームのローラーコースター体験用VR4D シミュレーター製品>

フェスティバルに参加し、歩き回りながら興味深かった点のひとつは、大多数の高価なヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)機器には、AMOLED パネルが使われたということである。13日発売予定のソニーのソニープレイステーション(Sony Playstation) VRからサムソンギア(Samsung Gear) VR、そして中国企業のうち、Nibiruという会社でもサムソンのAMOLED製品を適用した。メーカー関係者たちの共通した意見によると、LCDの本質的問題であるバックライトユニット(BLU:Back Light Unit)とコントラスト比の対するイッシュもあるが、レイテンシ(Latency)という反応速度と関連のある問題が原因でAMOLEDを適用すると明らかにした。よく、レイテンシとは、オンラインゲームでのコンピュータとコンピュータ間の連結による遅延時間を言う。しかし、VRではユーザーの頭の動きに応じて、仮想現実も、新しいイメージを迅速にロードしなければならないが、この視線を移すたびに発生する遅延速度をLCDで具現するには無理があるからだそうだ。いくら、演算能力が優れた製品であってもスクリーンに表示される遅延時間を「0」に近づけるためにAMOLED適用は必須である。

<近日発売予定のプレイステーションのVR製品たち>

このように、展示場の多くの企業とスタートアップ企業が自社のVR技術力を誇っているし、江南では、国内で最初にVRカフェがオープンするなど、VRについての関心がますます高まっているが、国内ではまだVR関連規制が曖昧で、明確に標準化されていないため、収入モデルさえまともに設定することが難しいという現実的な話を聞いた。法規制によってビジネスモデルが変わるし、メーカーのVR産業への参加にも影響があるので、政府はVR産業のグローバル競争力強化のために、体系的な収益プラットフォームを用意するための適切なサポートと方案を提供すべきである。

[IFA2016] LGエレクトロニクスの自信は一体どこからくるのか?

LGエレクトロニクスがIFA2016において展示空間の5割ほどを使い有機ELテレビを披露した。展示会場を有機ELテレビで埋め尽くした。

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言葉の必要がない展示だ。ただ見て楽しむだけでいい。

 

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画質だけではなくデザイン面でも1枚ガラス板のようなスリムさを「Picture on glass」というコピーで披露した。
有機ELテレビが液晶テレビと比べてどんなところが良いかについては、もう言葉は必要ない。ただ見せるだけで十分。

去るCES2016の際にLGエレクトロニクスのブースは映画館のように暗かった。有機ELテレビの強みである「黒」をうまく表現しようとした狙いがあると思われるが、返って「有機ELテレビは暗い場所ではないと見づらい不完全な製品である」と思われてしまう恐れがある。

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CES2016LGエレクトロニクスのブース:照明が非常に暗くてまるで映画館の様。
(写真のサイズを同じにしてください)
しかし、CES2016の天井照明とIFA2016の照明を比較してみると、違いがはっきりわかる。暗闇から抜け出した。LGエレクトロニクスが変わった。
LGエレクトロニクスが明るい空間でも有機ELテレビのメリットを引き立たせられる自信を得たのだ。LGディスプレーが生産しているテレビ用有機ELパネルの構造が、B(青)とYG(黄緑)を3つの層に積層する2色構造から、R(赤)・G(緑)・B(青)をすべて使用して3色を実現する3層構造に変わった。色の効率と明るさが圧倒的に向上したのだ。
もうこれ以上「暗闇の子」ではない。LGエレクトロニクスは今回の展示を通じて、堂々と液晶テレビと競争できる品質が確保できたという自信を披瀝した。

もちろん液晶テレビ事業は引き続き展開していることも表した。たくさんの有機ELテレビが展示されたエリアとは比べものにならないほど狭い空間に量子ドット(Quantum Dot:QD)技術を採用した液晶テレビを展示した。主役の座を譲り展示会場の一隅に展示された液晶テレビは、未だに液晶テレビが永遠に続くと信じている競合他社に対して、謙虚になるべき時代が近づいていることを示している。

[IFA2016]欧州と中東のテレビ盟主、有機ELテレビにはまる。

欧州最大の家電見本市「IFA2016」で有機EL(OLED)テレビが旋風を起こす勢いだ。LGエレクトロニクスがリードしている有機ELテレビ市場に中国のセット企業の一部が加わった形で初期市場を形成している。2013年、LGエレクトロニクスとサムスン電子の2社が同時に有機ELテレビを発売し、IFA2014まではテレビ市場の二大柱である両社が有機ELテレビ市場の雰囲気を形成してきていたが、有機ELテレビの品質に自信を失ったサムスン電子は、結局2015年CESを機に完全撤退し、量子ドット(Quantum Dot:QD)技術を採用した液晶テレビ市場だけに集中している。
最近、サムスン電子が「有機ELテレビは焼き付き現象のため、まだ技術不足であり、液晶テレビの後を継ぐ製品としては量子ドット技術を採用したQLED(quantum-dot light-emitting diode:量子ドット発光ダイオード)テレビになるはず」と言及し、「近いうちにこの製品を発売する」と公言したことで、有機ELテレビ市場の萎縮を懸念する声も多かった。
ところがIFA2016では、サムスン電子の有機ELテレビに対するネガティブ攻勢を払拭させるような展示が行われている。正確に表現すると「液晶テレビ、もうダメだ!」ということ。
欧州最大の家電製品メーカーであるフィリップスが有機ELテレビに着替え、IFA2016の展示会場を華やかに飾った。

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フィリップスは有機ELテレビを目立たせるために細心精緻な展示コンセプトを構想した。まず、3面にたくさんの液晶テレビを配置し、現在の主力製品はまだ液晶テレビであることを披瀝した。しかし、数十台以上のテレビを展示できる程広い中央部には有機ELテレビを垂直配置している。さらに、それらを回転させることで、どの角度からもフィリップスの有機ELテレビがよく見えるような工夫がなされている。有機ELテレビについては製品を立体的に観察できるような配慮をしたものだ。フィリップスは言葉ではなく、空間の配置をもって「これからは有機ELテレビにポートフォリオを切り替える」と宣言したものとも言える。
さらに、今回の展示では、出品者が有機ELテレビの優秀性を液晶テレビと見比べられるような工夫をしている。

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鮮明な色と明確な明暗比をほこる有機ELテレビの背景に配置された液晶テレビの映像は、ゴースト現象で、色が滲んで見えたり、色と色の境界線がぼんやりしたりして輪郭がはっきりしていないことが分かる。液晶テレビ単独でみるときはこのような液晶テレビの問題が目立たないが、有機ELテレビと見比べると液晶テレビの短所が明らかになっている。
フィリップスは有機ELテレビを液晶テレビの間に展示することで有機ELテレビの優秀性を最大限に目立たせた。
中東のテレビ盟主であるVestel社も有機ELテレビを液晶テレビの間に展示した。液晶テレビを壁面に展示し、55型と65型の有機ELテレビ12枚を両面に並べて中央部に配置した。これもまた有機ELテレビの背景に液晶テレビを配置させ、一緒に見られるようにしたものだ。

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さらにテレビ展示が終わる最後のエリアには有機ELテレビ9枚をタイリングした世界最大の有機ELテレビを展示し「これがまさに有機ELテレビだ!」と叫んでいる。

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有機ELテレビに対するサムスン電子のネガティブ攻勢は今後も続くだろうが、世界中のテレビメーカーはだんだん有機ELテレビの陣営に集まってきている。プレミアムテレビ市場から液晶テレビが消え去り、有機ELテレビが支配する時代がだんだん近づいてきている。

[Manufacturing World Japan 2016] VR、「製造産業」にも急速に拡散

Artcraftブースの訪問者が、VRとジョイスティックを利用して仮想の空間を眺めている。

Hyunjoo Kang / jjoo@olednet.com

バーチャルリアリティ(VR)技術が、映画、ゲームなどのコンテンツ分野だけでなく、製造産業にも急速に浸透している。特に3Dレンダリング、モーショントラッキング技術などのVRが融合し、製品デザイン、建築、施設管理など、さまざまな分野でシナジーを出すことが期待される。

6月22日から25日まで、東京ビッグサイトで行われた世界最大規模の製造分野の展示会であるManufacturing World Japan 2016の3DおよびVR関連部門の展示である3D&Virtual Reality Expo(IVR)では、昨年より参加企業が大幅に増えた。イベント主管社のREED側によると、今年のIVR参加企業は80社で、昨年より20社が増加し、特にVR関連技術を披露する企業が目立って増加した。

今回のイベントで展示業者は、住宅建築やインテリア、自動車デザインおよび整備などに活用することができるVR関連技術を大挙披露した。

Informatix、Zenkei、Artcraftなどは、仮想の室内・屋外空間または実際空間をVRを通じて360°でありながら3Dで見ることができるコンテンツ制作およびビューアソフトウェアを披露した。ユーザーは、VRを着用すれば、住宅や室内空間、建設現場を見ることができる。Artcraftなど、いくつかの企業はジョイスティックも追加した。使用者は、ジョイスティックで前、後、左、右に動き、空間のすみずみまで見回せ、映像に表示されるドアも開閉したり、仮想の空間を実際のように体験することができる。

Crescent、Digital Gardenなどは、VRとモーショントラッキング融合して、自動車に適用した技術を披露した。 使用者がVRを着用すると、映像の中の自動車内部の部品に手を伸ばして整備をしたり、車に乗ってみることもできる。このような動きは、モーショントラッキングカメラが感知、利用者が体感する仮想の経験をグラフィカルに見せる。

Manufacturing Worldの藤原武史事務局長

会場で出会ったManufacturing World Japan 2016の藤原武史事務局長は、OLEDNETとのインタビューを通じて、「当社は、VRが製造産業で活性化されるものと以前から予想しており、24年前からIVRを開催しており、今年は日本VR元年といえるほど、今回のイベントではVRの割合が画期的に増えた」と明らかにした。

彼は「これまでVRは研究所など学術界で主に扱われてきたが、今後は建設、ゲーム、アミューズメントなど、一般の人々にも近づいており、日本全体、今年はVR元年であるといえよう」と説明した。

藤原事務局長は「製造業においてVRは、特にデザインに影響を与えるものであり、これは製品を設計するために重要な役割をするもの」と予想した。また「製造産業が非常に古い産業なので、従事者の年齢層が高くなって、若い人たちに技術を伝授するためにもVRが伝達力を高めてくれるであろう」と付け加えた。