有機EL Display 最新技術の全体像を把握できる、「OLED / QD-LED 最新技術動向」レポートについて
有機EL Display 最新技術の全体像を把握できる、「OLED / QD-LED 最新技術動向」レポートについて
有機EL Display 最新技術の全体像を把握できる、「OLED / QD-LED 最新技術動向」レポートについて
Huawei への制裁が ディスプレイメーカへ与えた影響
サムスンディスプレイ2021年第4四半期のQD-OLED量産開始、大型OLED市場の新たな成長の機会
サムスンディスプレイが2021年第4四半期から本格的にQD-OLED量産に突入する予定だ。量産規模は8.5世代30K /月であり、65インチの4K解像度のパネルを中心に量産されると予想される。 8.5世代から65インチパネルは3枚の生産可能なため、年間100万台程度のパネルが量産されるものと思われる。
過去2020年の後半に行われた決算セミナーで劉備リサーチは、サムスンディスプレイのQD-OLEDが2021年に20万台、2022年に60万台、2025年に80万台生産されると予想した。ただし、サムスンディスプレイが第2四半期のカンファレンスコールでQDディスプレイがTVよりも小さいモニター製品も披露こと明らかにしただけに、製品の比重に応じて生産量は変わると思われる。
第4四半期から量産に突入すれば、QD-OLED TVは2022年に米国ラスベガスで開催されるCES 2022の展示会で初公開され、前半程度に製品が正式発売されると予想される。
サムスンディスプレイのチェジュソン社長は、最近発刊した持続可能な経営報告書で「QDディスプレイが実用化されると、長い間低迷した大型ディスプレイ産業に新たな成長の機会が作られるだろう」と強調した。
サムスンディスプレイのQD-OLED量産がLGディスプレイで主導している大型OLED市場でどのような影響力を与える成り行きが注目される。
< QD-OLEDの予想構造, Source: UBI Research>
サムスンディスプレイ研究所はOLEDに続く次世代のディスプレイとしてQNED開発に拍車をかけている。
サムスンディスプレイがQNEDを大型ディスプレイ事業の一環として開発している理由は、サムスンディスプレイの最大の顧客であるサムスン電子が満足できる画質を出す、唯一のディスプレイであるからである。
世界のTV市場シェア1位のサムスン電子のTV事業の方向は、QDを使用して色再現率をOLEDより良くし、高い輝度として明るい画面で階調特性が優れたHDR性能を最大化することができるディスプレイを使用して、最高レベルのTVを顧客に提供するものである。
これらのサムスン電子のニーズを唯一満足させることができるディスプレイがまさにQNEDある。
Items | QNED | OLED | Mini-LED LCD |
Color gamut | best | better | best |
HDR | best | better | better |
Luminance | best | better | better |
Contrast ratio | best | best | better |
Motion blur | best | best | good |
QNEDは自発光ディスプレイであり、QDを使用するため、色再現率とHDR、輝度、コントラスト比、motion blurなどのすべての特性などが最も良い、サムスン電子で期待している製品である。
QNEDが最高の特性を持つディスプレイであることは構造として確認することができる。QNEDは大型OLEDで使用される3T1CのTFT構造上にnano-rod LEDがある画素層、その上部にQDとCF(color filter)で構成されている色変換層で構成されている。
OLEDは画素に信号を伝達するための電極(陰電極、陽電極)と配線が発光材料の上下部に位置しているが、QNEDは信号伝達電極(画素電極)と配線がすべて同じ平面に位置している。QNEDは画素電極に加えて、出光効率を高めるための反射電極が追加で存在する。Nano-rod LEDを整列するための整列電極は画素電極が兼ねている。
< QNED断面構造>
< QNED画素部の構造>
< QNED画素平面構造>
QNED画素の平面構造をみると、1つの画素内には多数の画素電極が直列に接続されており、画素電極の間にnano-rod LEDが配置されている。画素電極は絶縁材料で形成されている隔壁(PW)上にあり、各画素はバンク(BNK)によって囲まれて領域が区分されている。
QNEDのコア技術は駆動技術とセンシング技術である。
駆動技術には、nano-rod LEDを整列するための駆動技術とnano-rod LED数偏差があることができる画素を均一に制御することができる駆動技術がある。整列回路には、画素ごとにスイッチング素子があり、スイッチング素子で整列信号を画素に印加する。各画素にどの整列信号を与えるかによって、nano-rod LEDの整列状態が決定される。
<整列駆動回路>
<整列状態確認用センシングトランジスタ>
最後に、重要な駆動技術は、画素ごとのnano-rod LEDの数が違っても、全画面に均一な輝度がでるように画素ごとに電流を供給する技術である。センシングトランジスタから読み取ったデータに基づいて、各画素を制御する方式である。
【QNED技術の完成度の分析レポート]には、パネル上にあるnano-rod LED整列状態を確認できるセンシングトランジスタとセンシング配線、センシングシグナルが詳しく紹介されている。
センシング技術としてはQNED内部に設計されたセンシング技術(センシングトランジスト)とQNED製造に使用されるセンシング技術がある。QNED製造に使用されるセンシング技術はインクジェットシステムに内在されている。インクジェットシステム内のセンシング技術としては、インク内のnano-rod LED数と溶媒の粘度分析、パネルに噴射されたnano-rod LED数の分析、nano-rod LED整列状態の分析の3つである。
<インクジェットシステムの構成>
QNEDはすでに2年前に4K 65インチが駆動可能であることが証明された。サムスンディスプレイはQNEDの画面均一性を確保するための仕上げ作業に集中している。
サムスンディスプレイが次世代ディスプレイとして準備中であるQNED(quantum dot nano-rod LED)の実体が明らかになった。
サムスンディスプレイが出願した特許160件を分析した結果、QNEDを構成する構造は既に完成しており、光を出す画素内のnano-rod LED整列数を一定に維持することだけが残っている課題であることが確認された。
QNEDの収率と品質特性を決定する画素ごとに整列されたnano-rod LED数は、インク内のLED分布と画素に噴射されたLEDの数、噴射されたLEDの整列割合に応じて決定される。
ピクセルごとのnano-rod LED数分布が異なる場合、画素ごとに印加される電圧に変化が生じるため、不良が発生することになる。
サムスンディスプレイは画素ごとにnano-rod LEDの数を一定にするための方法とnano-rod LEDの数が異なる場合も、輝度を均一にすることができるアルゴリズムを既に開発したことが確認された。
今回発刊された「QNED技術の完成度分析」報告書では、94件の特許の分析を介して発行された以前の報告書の内容と、新たに追加された66件の特許として作成され、サムスンディスプレイのQNED技術完成度がどのレベルに達したかどうかがわかるように細かく分析して収録した。
今回の報告書では、これまで公開しなかったQNED特許番号と分類表、定量分析データをエクセルとして提供する。
<「Galaxy Z Fold2」の公式広報イメージと推定される写真、Source:twitter.com/ishanagarwal24>
7月21日、IT新製品関連情報流出家のIshan Agarwalは自身のツイッターに「Galaxy Z Fold2」のレンダリング写真と推定されるイメージを公開した。 「Galaxy Z Fold2」は来月5日、ギャラクシーアンパックイベントで公開されて以来、約2ヵ月後の9月末に発売される予定だ。
Galaxy Z Fold 2の内部には前作のGalaxy Foldの7.3インチ画面よりも大きい7.7インチフォルダーブルOLEDが搭載され、当該のフォルダーブルOLEDのカバーウィンドウ素材にはUTGが採用された。 外部にもOLEDが搭載され、大きさも6.23インチと前作より1.63インチ大きくなった。
背面には1億800万画素のメインカメラをはじめ、トリプル(3個)カメラと飛行距離測定センサー(ToF)が搭載され、内部カメラはパンチホールの形で右画面の中央に位置すると伝えられたが、今回のイメージでは確認されていない。
期待を集めたタッチペンは今回のモデルに適用されない。 出庫価格は前作より10万ウォン程度安くなった230万ウォン台になると予想される。
最近サムスンの湯井にあるP8-2LCDラインの売却公告が掲示された。(6/29日付公告)
サムスンは最近まで老朽化したLCDラインの売却を進めてきたが、売却公告を掲載したことはなかったため今回のP8-2ラインの売却公告掲載は特異なことだ。
これに先立ち、P8-1ラインは新規投資されるQDディスプレーラインに一部の設備が転用になり、200K規模の全体工程装備のうちTFT 30K程度とCF 200K規模だけを中国のホフタイという会社に売却された。
サムスンP8-1ラインの設備を買収した和風台社(Shenzhen EFONLONG OPTRONICS DISPLAY CO., LTD, 深圳合丰泰光有限公司)は中国でLCDモジュール製造会社で、2008年に設立された会社で本社は深センに位置している。 和風台は中国浙江省政府の投資を誘致し浙江省に移転設備を設置·運営するという。
一方、今回のP8-2は200K規模の設備全体を売却すると知られており、サムスン物産が総括的に進めており、売却規模としては5000億ウォンに達する。
サムスンはQDディスプレーへの投資とあいまって、従来のLCD設備を優先的に転換すると見られていたが、今回の全量売却公告により、今後投資を進める際、投資設備はほとんどが新規購入が行われるものと見られる。
このような情報に照らして、現在のQDディスプレイ30K投資以降の追加90K規模の投資日程の遅延、またはQNED開発と連携した投資方向転換の可能性も慎重に予測できる。
コロナウイルスによって産業と人間の暮らしに様々な変化が発生したが、OLED市場の上昇傾向は衰えていない。
スマートフォン市場のビックメーカーであるAppleはiPhoneのディスプレーをLCDからOLEDへと順次買い換えている。 2019年にはiPhoneの約25%にOLEDが使用されたが、今年は50%まで拡張されると予想され、2021年には75%に増えると予想される。 これによりサムスンディスプレイがAppleに独占的に供給していたflexible OLEDはLGディスプレイも昨年から供給を開始しており、来年にはBOEもAppleの供給企業に指定されると見られる。
中国のスマートフォンメーカーも同様に、OLEDの使用には大変積極的だ。 膨大な中国内需市場を基に、HuaweiやOppo、Vivo、XiaomiなどはOLEDスマートフォンの使用量を大幅に増やしている。 2020年上半期に発売された中国のスマートフォンメーカーの製品種類は計126種類で、このうちOLEDスマートフォンが52種類を占めている。 コロナウイルスが中国産業全般にまだ影響を及ぼしているにもかかわらず、中国スマートフォンメーカーのOLED使用量増加はOLED産業を成長させる重要な動力として作用している。
今後、スマートフォン市場はAppleと中国のスマートフォンメーカーの二頭立てによってLCDは徐々に市場を失い、その場はOLEDが占めるようになる。
UBIリサーチでは「次世代ディスプレイ技術及び産業展望」セミナーを7月16日にCOEXで開催し(http://ubiresearch.co.kr/2020_07_sem/)▷コロナによるOLED市場の変化▷中国パネル企業の事業状況▷OLED材料及び部品素材市場の展望、フォルダーブルOLED技術動向▷QNED量産化要素技術▷大型ディスプレイ競争力の分析などのテーマで発表する。
モバイルに装着されるtouch panel技術はuser interface機能を遂行するために重要な技術である。 Flexible OLEDディスプレイのtouch技術は、外付け方式(Add-on type)から内蔵型方式(on cell type)へと変化している。
薄膜袋(TFE、thin film encapsulation)の上にtouch sensorが形成される内蔵型方式は、 各パネルメーカー別にY-OCTA(YOUM on-cell touch AMOLED)、ToE(touch on encapsulation)またはFMLOC(flexible multi-layer on cell touch)などの多様な名称で呼ばれる。 内蔵型方式は外装型方式と違って、別途のベースフィルムがなく封止層の上部に直接にtouch sensorが形成される。 このため内装型は外装型より工程難易度が高いが、OLEDパネルの厚さを薄く製作するのが有利で、工程コストも削減される効果がある。
最近、OLEDを利用したモバイルにこのような内蔵型方式のtouch技術を適用するため、各ディスプレイメーカーはライン改造の作業が段階的に進められている。 内蔵型方式のtouch 技術を適用するためには、4つのmask stepが追加されることになる。 工程stepの増加に対応する方法としては、増加される工程分の新規装備を追加で設置して対応する案、既存設備で共用で対応する案の2つがある。
サムソンディスプレイは既存のA3ライン(湯井)で内蔵型方式のtouch技術を使うため、既存の露光器を活用することを決め105K capacityのTFT生産ラインの改造作業を段階的に進めている。 既存工程のflow上では1500×1800mm2のmother glassでback plane工程が行われ、このglassをhalf-cuttingした1500x900m m2のglassをOLED工程で行うことになるが、half cuttingされたglassを再びback plane装備で工程するためにはcuttingされた2枚を連結して処理するjig製作方式を適用することになる。 改造後はA3 lineの生産capacityの減少が発生するだろう。 現在改造対象のA3 lineの105KはLTPS工程からLTPO工程に変更され、Y-OCTA工程と兼ねるようになる。 この場合LTPSからLTPOに変更して3つのmask stepが増え、Y-OCTAのために追加4つのmask stepが増加する。 Total 7つのmask stepが増加した結果で、A3 lineは改造後、従来の105K 生産capacityが概ね75K水準に減少すると 見られる。
中国のBOEも、B7とB11で内蔵型のtouch工程を追加構成中だ。 BOEは内蔵型方式のtouch工程を追加する案で、露光装備などを追加購入して処理する方式で進められている。 この場合生産capaの大きな変動はないものと見られる。
<Production capacity comparing with before/after modifying at SDC A3 line>
現在、プレミアムテレビ市場を主導しているOLEDテレビはLGディスプレーのwhite OLEDで製作される。 プレミアムテレビ市場を二分しているQLEDテレビだけではなく、未来のライバル製品として言及されているQD-OLEDテレビとQNEDテレビとの競争のためwhite OLEDの変化が観測されている。
一番目の可能性が高い変化は、現在発光層に使われている「yellow-green発光材料」の代わりに「green発光材料」の使用だ。 Yellow-green発光層は寿命は良いが、色再現率の拡大のためにはgreen発光層への代替が必要となる。
当初、 LGディスプレーは広州工場でgreen発光層が適用されたwhite OLEDを量産する計画だったが、工程問題によって既存のyellow-green発光層を使う計画だ。 現在、 LGディスプレーはGreen発光層が適用されたwhite OLEDを持続的に開発中であり、年内あるいは近いうちにテレビ市場で発売する計画を立てている。
<向後大面積white OLED構造の予想、Source: 2020 OLED発光材料レポート>
現在のbottom-emission方式からtop-emission方式への変化も予想される。 有機発光層で発生した光が基板TFT と基板方向に出るbottom-emission方式はTFT素子が光を遮り、輝度の損害が発生する。これまでの大面積OLEDは、TFTが光を一部遮ってもピクセル自体の発光面積が広いため大きな問題ではなかったが、次第に解像度が上がり, top-emission構造の必要性が持ち上がっている。
また、今後 top-emission方式のQD-OLEDや輝度に優れたLEDで製作されるQNEDが開発され、テレビ市場に出ることになると輝度等のスペック競争は必至となるため、 top-emission構造の開発は不可欠である。
top-emission構造を開発するためには有機発光層のmicro-cavityの設計、透明封止再開発、カラーフィルターの工程変更など材料・工程において様々な変化が必要であるが、前述のQD-OLEDやQNEDが完全に商用化されるまで、 top-emission構造の開発は十分に可能と予想される。
今後、色再現率や輝度などの性能が改善される未来のOLEDテレビへの帰趨が注目される。
(株)ユビ産業リサーチ/ 取締役 イ・チュンフン / 事業者の登録番号 220-87-44660 / 通信販売業の届出番号: 江南-15333号
住所: A-1901, Samho Moolsan Bldg, 83, Nonhyeon-ro, Seocho-gu, Seoul, Republic of Korea (Zip) 06775 (株)ユビ産業リサーチ / TEL:02-577-4390 / E-MAIL:marketing@ubiresearch.com